ビットコインと所得税について

ビットコインの購入を考えていらっしゃる皆さんにとっては、どのような税金がかかるのかは気になることではないでしょうか。仮想通貨なのだから税金など関係ない、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。確かに、法定通貨である円やドルと違い、仮想通貨の税体系についてはわかりにくい点があります。ここでは、仮想通貨にかかる税金や所得税法とビットコインの関係、売却益にかかる所得税について詳しく見ていくことにしましょう。

仮想通貨に係る税金について

まず最初に、仮想通貨にかかる税金について見ていくことにしましょう。2016年6月に公布された資金決済法の中において、仮想通貨の通貨価値が正式に認められました。「仮想通貨もれっきとしたお金」だということが国によって認められたのです。その後、2017年3月に公布された消費税施行例改正法により仮想通貨の譲渡は非課税とみなされました。このルールは7月1日から適用されています。将来消費税が10%になるかもしれないと言われていますが、仮想通貨は消費税の値上がりの影響を受けません。仮想通貨による取引はその意味で活発化することが考えられ、需要もますます高まっていくことが考えられます。

仮想通貨にかかる税金は大きく分けると、所得税、法人税、相続税などが考えられます。所得税は、所得が多ければ多いほど課税額が増える累進課税制度を採用しています。給与所得以外の副業、例えば仮想通貨による投資などで20万円以上を稼いだ場合は、確定申告が義務付けられています。所得税については、後ほど詳しく記載させて頂きます。

法人税は、企業会計の中に仮想通貨による売上などが含まれる場合に関係します。これには、仮想通貨を決済手段としている実店舗やネットショップなどが含まれます。

また、仮想通貨を相続した場合は相続税がかかります。仮想通貨を相続するというのは、現在ではあまり現実味のない話に聞こえるかもしれません。しかし今後さらに仮想通貨が流通した場合は、仮想通貨を相続することも日常的になってくることが考えられます。仮想通貨相続の場合には、法定通貨と異なり実物がないために、故人が仮想通貨の取引をしていたことに遺族が気付かず、多額の仮想通貨がネットの世界で眠ったままになってしまうケースも考えられます。今後は遺言書にも仮想通貨の相続について明言しておかなくてはならない日がくるかもしれません。

ここで間違えてはならないのは、これまで述べた税金は、あくまで仮想通貨を通して利益を得た場合に限られるということです。仮想通貨を保持しているだけならば、今のところ税金はかかりません。仮想通貨にかかる税金を整理したところで、続いて仮想通貨の中でも最も人気の高いビットコインと所得税法の関係について見ていくことにしましょう。

所得税法とビットコイン

国税庁は今年9月、ビットコインによるキャピタルゲインを雑所得としてみなすとの見解を示しました。雑所得とは所得税法によって定められた10個の区分のうちの1つです。公的年金、プロの作家以外の人の原稿料、講演料、ネットオークションによる売上などがこれに含まれます。それまではビットコインの税区分の定義があいまいであり、税務署によっても判断はまちまちでした。ついに国税庁が統一した見解を示し、ビットコインが課税対象に含めることで仮想通貨としての位置づけを明確にしたのです。

国がビットコインを資産的価値があると定義したことで、ビットコインに関わる税制がクリアになりました。ビットコインに所得税がかかるといっても、所得税を払わなければならないのはビットコインによって個人あるいは企業が利益を得た場合と、ビットコインで給与をもらった場合ですのでご安心下さい。単にビットコインを保持しているだけであれば、税金は発生しません。

売上に関しては、ビットコインを決済手段にしているネットショップや実店舗についてはビットコインにまつわる所得税について注意が必要です。ビットコインを利用した決済によって利益を得た場合は、雑所得とみなされ課税対象になります。その他に、ビットコインを投機の手段として使っている場合は譲渡所得または雑所得と見なされ、こちらも課税対象となります。ビットコインを用いて投資をした場合、その売買によって得た利益には所得税がかかります。

また、給与をビットコインでもらっている場合も給与所得として所得税が課税されます。日本国内においてビットコインで給与を支払っている企業はおそらくないとは思われますが、今後、仮想通貨がより認知され人気が高まり、なおかつ日本経済が先行き不透明になり不況が長引いた場合は、もう円は信用できないという世論が高まることもあるかもしれません。ビットコインで給与を支払うという企業が出現する可能性も0ではありません。

仮想通貨であるビットコインはこの先の数十年で通貨としての需要が高まり、標準通貨として認知される可能性を大いに秘めています。ビットコインの所得税がいくらかかるのか不安だという方は、ビットコインと税金について詳しくチェックしてみるとよいでしょう。疑問が残る場合は詳しい専門家や税理士に相談されることをおすすめします。

ビットコイン売却で得た利益の扱い(所得別)

最後に、ビットコインの売却によって得た利益、いわゆるキャピタルゲインの扱いについて見ていきましょう。まず、ビットコインを主に投資目的で購入し、売買を繰り返して利益を得ている場合はこちらになります。キャピタルゲインを得た場合の利益は譲渡所得と見なされます。譲渡所得の計算式は、「売却価格-(購入価格+手数料等経費)-50万円=譲渡所得額」となります。つまり、50万円までのキャピタルゲインであれば、非課税になります。この譲渡所得に税率をかけたものが実際の税額となります。税率は譲渡所得の金額によって変わってきます。

国税庁のホームページに詳しい情報が掲載されていますので参照いただくことをおすすめいたします。

次に、ビットコインの売買を生活手段としている場合ですが、こちらは譲渡所得ではなく事業所得と見なされます。事業所得の所得税の計算式は「事業所得-(必要経費+各種控除)=課税所得金額」となります。この金額に税率をかけ、課税控除額を差し引いたた金額が事業所得税となります。例えば年間1千万円の売り上げがあり、必要経費が300万、各種控除が100万円だった場合、課税所得金額は1000万-(300万+100万)=600万となります。税率は195万円以下から4000万円超まで7段階に分かれており、330万円を超え695万円以下の場合、税率は20%、課税控除額は427,500円ですから、結果的に600万×20%=120万円から控除額を差し引いた772,500円が所得税となるのです。

最後に雑所得に関してみていきましょう。雑所得扱いになるのは、副業として行っているビットコインの売買で利益が出た場合です。会社員の場合は会社が年末調整を行ってくれるため、利益が20万円以下ならば確定申告する必要はありません。しかし、年末調整を会社が行っていないか、あるいは利益が20万円を超えた場合には確定申告が必要となります。最近のビットコインの値上がりを見ると、20万円超の利益を得ている方も相当数いらっしゃることと思います。うっかりして結果的に脱税になってしまうということのないように気を付けたいものです。

国税庁が今年7月に雑所得と見なしたのは、あくまでビットコインに限ってのことです。しかし、いずれその他の仮想通貨もビットコインと同じように課税されることは間違いないでしょう。また、税の改正や経済状況によって今後も税率や仮想通貨の位置づけが変わる場合もあります。現在では非課税とされている消費税が今後かかってこないとも限りません。これからも仮想通貨にかかる所得税その他の税金には注目していく必要があります。

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