ビットコインのホワイトペーパーとは

ビットコイン投資に興味を持ったものの、ビットコインを始めとした仮想通貨がいったいどのようなものかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。今回のコラムでは、
ビットコインを生みだした理論の元となっているビットコインペーパーについてお伝えいたします。

このコラムでは、ビットコインをはじめとした仮想通貨(暗号通貨)におけるホワイトペーパーがどのようなものなのか、なぜホワイトペーパーを読むべきなのかといったことについて説明します。初めてビットコインを使ってみよう、という人にこそ、ビットコインのホワイトペーパーを読むことを強くお勧めしています。もちろん現在ビットコインを運用している人であっても、ホワイトペーパーを読んでおくことは無駄になることはなく、とても重要です。ビットコイン自体は2009年に運用が始まった、生まれて間もない通貨です。ビットコインの仕組みは大変優れたものであるといわれていますが、その仕組みについて理解しないまま利用することは自らリスクを背負うことになります。ビットコインのホワイトペーパーは、ビットコインの仕組みを理解するために最適な説明書です。ぜひ理解してご活用下さい。

ホワイトペーパーとは

そもそもホワイトペーパーとは何か、ということをまず知りましょう。ホワイトペーパー(White Paper)とは、日本語に直訳すると白書のことです。デジタル大辞林によれば、白書とは「政府の各省庁が、その所管とする行政活動の現状や対策・展望などを国民に知らせるための報告書」のことであるとされています。

元々はイギリスにおける内閣が議会に公式報告書を提出する際、その報告書の表紙の色が白であったことからホワイトペーパーと呼ばれるようになりました。日本においては、各府省庁より発行されている年次報告書、例えば経済産業省の経済白書や警察庁の警察白書がよく知られた白書でしょう。

ソフトウェアや情報システムにおけるホワイトペーパーとは、思想、設計、仕様、実装例といった、そのソフトウェアや情報システムの基幹を構成する要素を説明した文書のことを意味します。ホワイトペーパーの記載内容が怪しかったり、中身を伴わなかったりするソフトウェアや情報システムはそもそも信頼が置けないということになります。

ビットコインにおけるホワイトペーパー


ビットコインだけではなく、現在はビットコインから派生した様々な仮想通貨が存在します。ビットコインにおける「Peer-to-Peer (=P2P:ピア・トゥ・ピア) によるオープンな分散台帳システム」の思想を強く受け継いだ仮想通貨はシステムの仕様書を公開(オープン)しており、この仕様書がホワイトペーパーに該当します。

ビットコインにおけるホワイトペーパーは 「Nakamoto Satoshi (=ナカモト サトシ)」 を名乗る人物が投稿した「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(=ビットコイン: ピア・トゥ・ピアによる電子通貨システム)」という論文です。この論文はビットコインのシステム仕様を定義したものであり、仮想通貨の歴史において最も古いホワイトペーパーでもあります。ビットコインは好奇心からこの論文を実装した一部の優秀なプログラマーたちによって、この世に誕生しました。

ビットコインが急成長を遂げた理由は様々に挙げられていますが、理由の一つとしてホワイトペーパーに書かれた思想が画期的であり、またシステムの技術的な仕様も優れていたことが挙げられることは疑うまでもないでしょう。現在では通貨としての利用だけにとどまらない、ビットコイン 2.0 と呼ばれるビットコインの仕組みを応用した様々なシステムが考案・実現されています。これらのビットコインから派生したシステムも、大元であるビットコインのホワイトペーパーに記述された内容が非常に画期的かつ優れたものであり、また大きな成功を収めたため、ビットコインのシステムを応用しようという様々な動き、すなわちビットコイン 2.0 に繋がったのです。

ビットコインのホワイトペーパーを読むメリット

ビットコインをはじめとした仮想通貨のホワイトペーパーを読むことの一番のメリットは、本質を理解することでリスクを軽減できる可能性が高まることです。先述したようにホワイトペーパーの内容が怪しかったり、中身を伴わなかったりする仮想通貨はそもそも信用できません。そのような仮想通貨については利用を避けるべきでしょう。逆に言うならば、ホワイトペーパーの内容が信頼に足るものであれば、その仮想通貨について少なくとも仕様上の不安は取り除かれるということにもなります。

ビットコインのホワイトペーパー、先述した「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」にはビットコインの思想、設計、そして実装例が簡潔に書かれています。また、悪意を持つ者による攻撃に対して強い、すなわち堅牢なシステムであるということも、例を挙げて示しています。ビットコインは、そのホワイトペーパーが多くの人に検証され、実装され、支持されたからこそ、現在においてもなお、最も信頼できる仮想通貨として流通しているのです。

とはいえ仮想通貨におけるホワイトペーパーの多くは英語で書かれています。ビットコインのホワイトペーパーも最初は英語の論文でした。また暗号技術や情報技術の専門用語が多用されていることから、日本語に訳されていても初学者が読むことは大変です。ですが、経済白書が日本の経済動向を把握するために最も有用な文献であるように、ビットコインのホワイトペーパーを読むことはビットコインの本質を理解することに直結します。

幸い、ビットコインのホワイトペーパーについては、有志により和訳され公開されているものもあります。英語が苦手な方は、まず和訳されたビットコインのホワイトペーパーを読むことをお勧めします。英語文献は得意だけど技術的なことはよく分からない、という方は英語で書かれたビットコインのホワイトペーパーと和訳されたビットコインのホワイトペーパーを並べ、対訳することで理解が深まるでしょう。最初は意味が分からずとも、世に出回っている多くのビットコインの解説書と照らし合わせて読むことで、ビットコインの本質に対する理解が深まるでしょう。

今回のコラムではビットコインをはじめとした仮想通貨のホワイトペーパーについて解説し、ホワイトペーパーを読むことの意義についてもお伝えしました。

なぜ、ビットコインが安全な仕組みであると認められているのか。なぜ、安全な仕組みであるにも関わらず、2014年のマウントゴックスの破たんを代表としたセキュリティ上の問題や危険性による問題がたびたび発生しているのか。ビットコインをはじめとした仮想通貨の運用に関わる際、その本質を理解しないままでは運用リスクに対して適切な対処を取ることも難しくなります。

面倒くさい、難しい、といった理由でビットコインをはじめとした仮想通貨のホワイトペーパーを読まずにいるのは、自らリスクを背負っていることに他なりません。ホワイトペーパーは仕様書であり、また説明書として読むこともできます。誕生して十年も経っていないとはいえ、最も長い歴史を持つ仮想通貨、ビットコインのホワイトペーパーは、多くの人々によって解説され、和訳版も存在することから、初学者に最も適した説明書であると言えます。

これを機に、まずはビットコインに関するホワイトペーパーを読むことで仮想通貨の基本的な仕組みを理解し、自身が運用する仮想通貨のホワイトペーパーにも目を通されるきっかけにしてはいかがでしょうか。

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