キプロス危機とビットコイン

破たん

これまでに世界各国では何度も金融危機が起こっております。その中で2013年に起きたキプロス危機について、さらにビットコインとどのような関係があるのか含めてご紹介させていただきます。

キプロス共和国について

キプロス危機について触れる前にまずは、舞台となるキプロス共和国についてご紹介させていただきます。

●キプロス共和国って?
地球トルコ南に東地中海上に位置しているキプロス島の多くを占める共和国国家であり、国家面積は日本でいうと、山形県とほぼ同じ面積であり、人口は約80万人ほどです。
国家としての歴史は、第2次世界大戦後にギリシャとの併合派、トルコとの併合派に分裂し、それまでイギリスに統治されていたことへの抗議活動が高まり、1960年にイギリスからの独立を宣言いたしました。しかしその後の1974年にギリシャとの併合派の一部によるクーデターが起こり、トルコ軍が軍事介入にて北キプロス側を占領しました。その結果、北キプロス側にはトルコ系の住民が住む北キプロス・トルコ共和国、南キプロスにはギリシャ系の住民が住むキプロス共和国と分断されており、キプロス共和国というのは主に南キプロス側のことをいいます。現在も南北キプロスの間では国際連合(EU)が仲介に入ることにより、和平交渉が何度も行われており再統合を模索されているが、未だ解決はしておりません。

またキプロス共和国はEU加盟国であるので、通貨はユーロなのですが、北キプロス側の利用通貨はユーロではなく、トルコ通貨であるリラになっています。また国際的にみてもトルコ政府にのみ独立を承認されていないので、その他他国との貿易や資本の流入が極めて難しいため、キプロス共和国(南キプロス)と比べても経済で遅れを取っている現状です。

●キプロス共和国の産業
前にも触れておりますが、キプロス共和国は小さい国であるために独自の産業というのも多くはありません。主なものとしてはまず、観光です。観光業としてヨーロッパからのバカンス地としても有名であり、日本からもツアーが組まれております。
そしてもう1つは金融です。キプロスでは、FX会社など本社を構えている企業や、キプロスの金融ライセンスを取得してFX事業を展開している企業も多くあります。

●キプロスの金融ラインセンスを取得する理由として
レート先進国でのライセンスを取得。例えばオーストラリア証券投資委員会や、イギリスの金融行動監視機構などはライセンスの交付するための審査がかなり厳しく、不正があった企業には基本的には取得させることはありません。さらにはライセンスを取得したからと言っても、何か不正を働いた場合は、営業停止、ライセンスのはく奪などの厳しいチェック体制となっております。もちろん厳しい審査を通ったということで信頼というのは高くなるのでメリットは大きいにこしたことはありません。
しかし、キプロスの証券委員会ではキプロス共和国がEUに加盟していることから、EUの管理下におり、且つその信頼性もある、さらにはレギュレーションも自由が利くということで、多くのFX業者に好まれております。

またキプロス共和国は地理的な要因もあいまって、※タックスヘイブンとして有名だった時期があり、欧州でも金融活動が盛んな地域となっております。

※タックスヘイブンとは
日本語訳で、「租税回避地」という意味です。外国の資本や外貨を獲得するために、意図的に税金を優遇(税金を無税にもしくは低い税率にする)して、企業や世界各国の富裕層の資産を誘致している国や地域のことをタックスヘイブンと呼ばれております。
タックスヘイブンをおこなっている国家として、キプロスの他にヨーロッパではモナコ公国、サンマリノ共和国、カリブ海地域にあるバミューダ諸島、バハマ、バージン諸島、ケイマン諸島、アジアでは、UAE(アラブ首長国連邦)、バーレーンなどが挙げられます。
タックスヘイブンをおこなっている国家の特長として、ほとんどの国家面積が小さく、世界の経済成長についていけないもしくは将来的に衰退する恐れがある、そのために世界各国の富豪たちの資産を誘致し、国家を潤わせようとしているいわば国家プロジェクトでもあるのです。

投資をおこなう際でも、キプロスに設立した企業を経由して投資するなど、投資の拠点としても知られています。

キプロス危機について

上記で説明したようにキプロスはタックスヘイブンなど海外からの誘致によって、その生活水準は他国と比べても高い状態でした。しかし2008年に起きたアメリカでのリーマンショックによる世界的な金融危機、それと同じ時期にEUに加盟したことによる混乱が重なり、キプロス国内での金融機関の経営が悪化し、財政破たんの危機に瀕します。
そこでキプロス政府はEUの各国に支援を求めるのですが、この危機に対してのEU及びIMF(国際通貨基金)が出した救済条件は、国内の預金者たちにも負担を求める「預金課税」を提案します。そしてキプロス政府は銀行預金の封鎖、そしてその預金の一部を税金として回収しようとします。
この提案に対し、銀行に預けている自分の預金が国家危機とはいえ政府の都合により半ば強制的に奪われてしまうというやり方なので、キプロス国民や投資家たちの怒りはそうおうとうです。この決定に対して当たり前ですが、キプロス国民や議会が大反発しましたが、その噂を聞きつけていた多くの預金者が自分の預金を引き出そうと銀行に殺到、銀行は大パニックに陥りました。

キプロス危機からのビットコイン

仮想通貨キプロス危機により、自分たちの預金を守る手段として使われたのがビットコインです。
ビットコインは国や銀行など発行元がいない仮想通貨であるために、急にお金を引き出すことができない、国家の財政破たんで価値が落ちることがないというという特性を持っているものですので、キプロス国内の銀行よりも安心で安全だと考えられました。
銀行が預金封鎖をしていても、あらかじめ銀行の預金をビットコインに移動させておけば、
ビットコインは使用することができ、ビットコインでの決済も可能だったのです。
こういった経緯があり、キプロス国内でのビットコインの需要というのは急速に高まり、世界で初めてビットコイン専用のATMが誕生したのもキプロスでした。

今回起きた財政破たんでの銀行の預金封鎖は必ず起きるというわけではありません。
但し、万が一に備えて対策を打っておくことも良いかもしれません。
その対応策としては、外国の銀行口座に預金をする、現金以外での資産を置いておく、そして政府などが管理しない資産にて管理をもつ、の大きく分けて3つあります。
キプロス危機での対応策としては、最後の政府などが管理しない資産を持つ、つまりビットコインがこれに当てはまります。

ちなみに日本国内においてはまだ、ビットコインを取り扱っている企業であったり、店舗が多くありません。しかし近年になって政府も動き出し、法整備も着々と進んでおります。
そしてビットコイン専用のATMも東京の六本木をはじめとして、全国各地に徐々に設置がされ始めています。ですので、今後ビットコインでの取引が日本国内でも当たり前となる日がやってくる可能性も大いに考えられます。
ただ、やはりビットコインはまだ不透明な部分が多いこともあり、取り扱うのに不安を感じることもあります。あくまで銀行に預金を全て入れているのではなく、それらを分散さえておくというのが重要なポイントになりますので、ビットコインはこちらの対策の1つです。

ですので、こちらの記事を読んで頂いた方は、1つの知識として知って頂けたらと思います。
長々と説明させていただきましたが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

関連記事

コメントは利用できません。

新着記事

  1. みなさんは仮想通貨、いわゆる暗号通貨に対して、どのようなイメージを持たれているでしょうか。匿名性も高…
  2. ビットコインを始めとした仮想通貨の利用者数が年々増加しています。仮想通貨は365日24時間いつでもネ…
  3. オーガー(Augur)と呼ばれる仮想通貨をご存知でしょうか。仮想通貨の中ではビットコインが有名ですが…
  4. 仮想通貨を語るうえで必ず話題に挙がるのが匿名性についての項目があります。ビットコインは匿名性が高いと…
  5. 仮想通貨についての記事を読んでいる方の中には仮想通貨『イーサム』とセットで、『ダオ(the DAO)…
  6. ビットコインはブロックチェーンやマイニングなど多くのアルゴリズムによって、安定したシステム運用とサー…
  7. ビットコインの投資を考えているけれど、なかなか踏みきれない、二の足を踏んでしまうという方も多いのでは…
  8. ビットコインの購入を考えていらっしゃる皆さんにとっては、どのような税金がかかるのかは気になることでは…
  9. イーサリアムクラシックという仮想通貨を御存知でしょうか。「イーサリアムは知っているけれど、イーサリア…
  10. ビットコインというと、中国やギリシャなどのイメージが強いかもしれませんが、アメリカでもビットコインは…
ページ上部へ戻る