ビットコインとコンビニ決済

2017年5月末、日本国内でビットコイン取引所を運営しているビットポイントジャパンが大手コンビニチェーンと協議し、ビットコイン決済の導入に向けて動いていると報じられました。日本において、ビットコインによる決済は身近とは言えません。ですが、私たちにとって最も身近な実店舗のひとつであるコンビニでビットコインによる決済が可能となれば、日本におけるビットコイン決済が一気に普及する可能性もあります。今回のコラムではビットコインを用いたコンビニ決済がもたらす影響や、なぜコンビニ決済なのかといった点について解説します。

の狙い

日本においてはビットコインによる決済は身近ではなく、投資目的でビットコイン取引を行っている人が多い状況です。実際、ビットコイン決済が可能な実店舗も少なく、日本円に対する信頼も強いことから、ビットコインは日常生活における決済手段としては普及していません。

ビットポイントジャパンがコンビニ決済の導入に向けて動いているのは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける外国人観光客をターゲットとしているためだ、との見方があります。既にいくつかの家電量販店ではビットコイン決済を導入していますが、これも外国人観光客をターゲットにしているようです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックによって外国人観光客が増えれば自然とコンビニの利用者も増えるため、ビットコインを用いたコンビニ決済の手段を用意しておけばビットポイントジャパンは手数料によって多額の収益を見込めるのではないかと考えているのです。

ビットコインのコンビニ決済が可能となれば、外国人観光客にとって多くのメリットが生まれます。母国で現金をビットコインに換えてしまえば、以降は両替手数料がかかりません。日本の治安は諸外国に比べて非常に良いと評価されていますが、多額の現金を常に持ち歩くのはやはりリスクが伴います。その点、充分なセキュリティ対策を施したスマートフォンであればビットコインを安全に利用することができます。日本における決済のほぼ全てをビットコインで済ませられるとなれば、クレジットカードとビットコインを使い分けるより、ビットコインだけで決済を済ませてしまう方が手軽です。このことから、ビットポイントジャパンはコンビニ決済にも対応できれば自然と外国人観光客の利用者が増えると見込んでいる、と考えられます。既にコンビニ決済を目的としたソフトウェアも開発中とのことですから、ビットポイントジャパンが本気でビットコインを用いたコンビニ決済の導入に向けて動いているのは間違いなさそうです。

コンビニとATM

ビットコインを用いたコンビニ決済を導入しなくとも、ほとんどの大手コンビニチェーン店にはATMがあります。手数料はかかりますがコンビニATMでは海外のキャッシュカードを利用することもできるため、巨費を投じてまでコンビニ決済に対応する必要は無いのではないか、と考える人もいるかもしれません。2020年の東京オリンピック・パラリンピックは一大イベントではありますが、同時に一過性のイベントでもあります。長期的に見れば、日本の日常生活に浸透していないビットコイン決済を日本に導入するメリットは薄れるのではないか、という見方です。

実はこの問題は近いうちにコンビニからATMが消える日が来るかもしれない、という話題が関係してきます。毎日コンビニを使用される方は意外に思われるかもしれません。コンビニATMはここ数年で業績が徐々に落ち込んできています。セブン&アイ・ホールディングスのセブン銀行はATMにおける1日あたりの利用件数を公表しています。これを見ると利用件数自体は増加していますが、ATMの1台あたりの利用件数は、近年では減少傾向にあることが分かります。またセブン銀行は「事業活動におけるリスク」として「現金に代替する決済の普及」を真っ先に挙げています。このリスクは確認できる限りで2007年から既に認識されていたようですが、ビットコインの隆盛とATM1台あたりの利用件数の減少から、コンビニからATMが消えるのではないか、とささやかれているのです。

仮にコンビニからATMが無くなった場合、現金に代わるコンビニ決済の手段としてビットコインが普及する可能性が高まります。クレジットカードは一時的とはいえ借り入れを行うため、知らないうちに使い過ぎてしまうという懸念があります。一方、ビットコインはデビットカードと同様に保有している残高から直接支払うため、ビットコインを使い過ぎるという心配はありません。また、クレジットカードは信用取引であり、カードの発行にあたっては審査が必要となります。これに対し、ビットコインの利用において審査は必要ありません。ビットコイン決済が普及し、ネット環境さえ用意できれば、クレジットカードを持てない人でもATMを利用せずに支払いを行えます。

コンビニ決済によって日本人の日常生活にもビットコインが普及するか

未来を完全に見通すことはできませんが、類似のケースを見ることで可能性を予想することはできます。例えば大都市圏においては電子マネーである交通系ICカードは欠かせないものとなりました。これは事前に電子マネーをICカードにチャージしておけば改札をスムーズに通れることと、利用者が乗り換えを考慮しなくても自動的に最短経路の金額を算出してくれることが大きな理由でしょう。交通系ICカードは実店舗での支払いにも利用できますが、上記のように「交通系ICカードを積極的に導入するメリット」が無ければ現在のように大多数の人が利用することは無かったと考えられます。

 

ひるがえって、ビットコイン決済はどうでしょうか。ビットコインでコンビニ決済を行えるとなれば、コンビニへ行く際にはスマートフォンひとつだけ持てばいいというメリットがあります。つまりビットコインはおサイフケータイと同じような使い方ができます。また、ATMの場合は現金を引き出すたびに手数料がかかりますが、ビットコイン決済の際は手数料を店舗側が負担するため、利用者は現金からビットコインに替える手数料だけを支払えばいいことになります。コンビニ決済によってビットコイン決済が他種の店舗にも広く普及すれば、普段はスマートフォンだけで生活が完結する、という日常も現実的なものとして想像できます(スマートフォンの電池残量だけが心配ですが、、、)。

 

実際の普及可能性についても見てみましょう。日本においては首都圏、大阪、名古屋といった大都市圏においてビットコイン決済を受け付ける店舗が増えつつあります。他にも仙台、長岡、京都、広島、高知、松山、福岡、鹿児島など、地方の中核都市でもビットコイン決済を受け付ける店舗があります。発展途上とはいえ、全国各地でビットコイン決済を受け付けようという動きが見られます。ここで他国の例を見てみましょう。ビットコイン決済が普及しているアメリカでは、首都のワシントン D.C や経済中心地のニューヨークのみならず、ロスアンゼルス、ダラスのように「人口密度が高い都市」においてビットコイン決済が普及しています。日本は国土に比べて人口が多く、また山岳部が国土の7割を占めている一方、平野部に人口が集中しているという特徴があります。ひとたびビットコイン決済ブームに火が付けば、地方でも都市部においてまずビットコイン決済が普及すると考えられます。都市部において最も身近な実店舗であるコンビニ決済が、ビットコイン決済ブームの火付け役となるということは十分に考えられるでしょう。

回のコラムではビットコインを用いたコンビニ決済がもたらす影響や、なぜコンビニ決済なのかといった点について解説しました。ビットコインのコンビニ決済は主に2020年の東京オリンピック・パラリンピックによる外国人観光客の増加を見越したものという見方が強いようです。また、コンビニからATMが消える可能性も指摘されており、その場合でもビットコインによるコンビニ決済を導入しておけば外国人観光客の利用を逃すことがない、ということも考慮されているのではないか、ということも指摘しました。

 

ビットコインは短期的に見ると相場が大きく動くために不安定な通貨であるという見方がある一方、中長期的に見ると値上がりを続けている通貨でもあります。コンビニ決済の導入によってビットコインを用いた決済が日本でも普及すると確信できるのであれば、なるべく早期に現金の一部をビットコインに換えておいた方が後々お得である可能性は高いでしょう。仮にビットコインの決済が日常生活に普及しなかったとしても、投資対象として魅力的であることは変わりないため、保有しているビットコインが無駄になる可能性は低いでしょう。

 

当サイトでは幾つかのビットコイン取引所を、様々な観点から比較してご紹介しています。まずは2020年東京オリンピック・パラリンピック需要を見越したビットコインのコンビニ決済を目的に、少しお得にお買い物ができるよう少額からビットコイン取引を始めてみてはいかがでしょうか。

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