ビットコインって相続時どうなるの?

相続イメージ

オンライン上で簡単に決済ができる便利なビットコイン。個人・企業と世界中でその普及率を高める中で、少しずつ注目を集めているのが「ビットコインの相続に関して」です。多くの場合、人が亡くなると遺族が手続きや申告を行うことになりますが、日本で正式な貨幣としての地位を得ていないビットコインは相続上、一体どのような扱いになるのでしょうか。

ここでは、相続の基本からビットコインにまつわる相続税の話から実際にビットコインを相続させたい場合どのような扱いになるかなどをご紹介します。

そもそも相続税とは何なのか

相続税とは人が死亡した時、その人が所有する財産を相続や遺言で受け継いだ場合にかかる税金を指します。この時、亡くなった人を被相続人、相続される財産を相続財産と呼び、相続する財産や被相続人との関係性により控除額を除いた金額について相続税が課されます。相続財産となるものは金融や不動産、家具など動産、著作権などの各種権利、備品や農産物などの事業用財産の6種類に分類することができます。

計算

平成27年1月1日以降、基礎控除額や税率などの変更に伴い、現在では相続税は以下の計算式を用いて算出します。

「3000万円+600万円×法定相続人数=相続税の基礎控除額」

算出された金額を相続税の基礎控除額と呼び、相続人が1人でもいた場合、相続する財産の金額が3600万円以内であれば税金はかかりません。人数が2人になった場合は4200万円、3人になった場合は4800万円が基礎控除額となります。基礎控除により相続税の課税については被相続人のわずか十数%程度しか対象となっていないようです。相続の基礎控除額を超過した場合、課税対象となるため、申告が必要です。

税額計算がおこなわれる遺産額には不動産や預金といった財産から借入金や未払金などの債務を引いた金額が該当します。生命保険金や死亡退職金が発生する場合、それぞれに対して非課税限度額を超過した分が遺産額に計上されます。

実際の税額計算における一例をあげてみましょう。夫1人、妻1人、子3人の5人家族で夫が亡くなり、遺産額が1億円だった場合の法定相続人数は4人となり基礎控除額は5400万円となります。すると、課税遺産総額は以下のようになります。

1億 - {3000万円 + (600万円 × 4)} = 4600万円

上記の計算より4600万円が課税遺産総額となり、この額を超過する場合は課税されることとなります。

ただし、遺産の中には非課税財産に分類されるものもあり、これらの財産は課税遺産総額には含まれません。非課税財産には前述した非課税限度額内の生命保険金や死亡退職金のほか、お墓や公益法人への寄付金などが該当します。

ビットコインに相続税はかかるのか

この章ではいよいよ被相続人がビットコインを保有していた場合、相続税はどのようにかかわってくるのかについてお話してきます。

親子写真

現状日本国内ではビットコインは未だ法定通貨、正式な貨幣として認められてはおらず、今のところは金融としての分類はなされていないため、相続税の課税対象としてはみなされていない状況でした。つまり、ビットコインを非課税対象であるとされています。しかし2016年2月24日の資金決済法改正を通じて金融庁がビットコイン含む仮想通貨を貨幣と定義したこと、2017年の4月1日から始まる仮想通貨関連法案等の施行により、いずれビットコインが課税対象となる可能性は十分に高いといえるでしょう。

 

とはいえ、ビットコインを相続税の課税対処とするか否かについては議論が必要であるといわれています。課税対象にすべき理由としては他にも、法定通貨を電子化した電子マネーは被相続人が所有する金額も相続税の課税対象となり、ショッピングなどの決済方法を簡便化しただけで資産価値については現金と変わらないものとして取り扱われていることがあげられます。しかし電子マネーが課税対象となった場合についてもわずか数万円程度であることから、あまり大きな影響は出ていないようですが通貨としての機能を持つビットコインを課税対象とした場合については状況が大きく異なります。法定通貨のような強制力を持たないビットコインが課税対象となるか否かは、その国で正式な貨幣・通貨として認められているかどうかにかかっています。

 

またビットコインの相続について考える場合については被相続人が所有していたコインを遺族が回収することは極めて困難であるということも考慮しなければいけません。ビットコインの保有者であることを証明する唯一の手段が公開鍵暗号で利用される「秘密鍵」の所有です。そのため、遺族がビットコインの新たな所有者となるためには、被相続人による遺言などにより秘密鍵の所在地などを書き留めておくなどの方法で遺族へしっかり伝えておくことが必須となります。保有するビットコインが取引所に預けられている場合についてもアカウント情報やパスワードを共有してない場合、たとえ遺族であってもアカウントの所有権を証明することは難しいようです。

ビットコインを相続させたい場合の注意点

チェック

金融庁による仮想通貨関連法案等により、徐々に日本国内でも正式な「貨幣」としての地位を築きつつあるビットコイン。人によっては高額な資産ともなり得るビットコインの所有権を誰かに相続させたいと考えた場合には具体的に何をすればよいのでしょうか。

ビットコインの相続を考えた場合、抑えておくべきポイントは「取引に必要となる情報」を被相続人がどのようにして法定相続人に伝えるかにあります。ビットコインの取引にはその安全性を高めるために公開鍵暗号方式が導入されており、そこで使われる「秘密鍵」こそが、ビットコインの正式な所有者であると証明する情報となります。その他にもウォレットの管理パスワードについても伝えておくことが重要です。そのため、被相続人がビットコインを遺す場合には「秘密鍵」や「パスワード」を法定相続人だけに分かる手段・方法で伝える必要があります。遺言書であったり、生前にどこかに記載しておいたり方法は様々です。仮想通貨の世界ではパスワードを紛失することは資産へのアクセス権を失うことを意味しますので、正確に、正しく伝えていくように心がけましょう。

ビットコインをはじめ多くの仮想通貨には価格変動リスクが付き物です。遺産分割の時に価格が大きく上昇した場合には受け取る額が多くなりますし、逆に下落していれば当然受け取る額が小さくなってしまう点についても注意が必要と言えます。

税法上、現金や財産の贈与を受けた場合には贈与税がかかるものの、ビットコインにおいては施策されているセキュリティシステムにより、実際に取引を行っている個人を特定することは困難とされています。こうした理由から贈与事実を把握することは極めて難しいと考えられているようです。

ビットコインの管理

こうした電子的な遺産の相続税に関しては、財産評価がまだしっかりと決められていないため、個々のケースに応じてその取り扱いを考慮し、相場価格を評価することになるでしょう。交換所での取引や投資商品としての側面を持つことから、ビットコインを「商品」として取り扱うのが現状、最も適切ではないかとの意見も寄せられています。

ビットコインの相続において今のところ明確な法整備がなされておらず、その取り扱いがどうなるかは個々のケースによります。オンライン上で取引されることや、個人特定が不可能となっているなどの理由から明確な課税対象として取り扱うことが困難に状態にあるものの、不可能ではありません。その際は「秘密鍵」やアカウントの「パスワード」などの情報をどのように伝えるかなどをはっきりと決めておくようにしていきましょう。

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